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「中国製部品が納入遅延になり、資金繰りが不安に・・・」部門別管理と資金繰りの見える化で金融機関の信頼獲得

自動車部品の製造を生業(なりわい)とするA社は、税理士法人深田会計の指導のもと、部門別業績管理や予実管理を実践することで、少しずつ強い会社に変貌を遂げていた。そんなA社がコロナ禍の中でスムーズに融資を獲得できたのは、財務情報を積極的に金融機関に提供していたからでもあった。

〈社長の声〉
宮城県で自動車部品製造の仕事をしています。会社の成長に伴い、取引先も増え、業務内容や管理項目が複雑化していきました。その結果、会社の実情が今ひとつ把握しづらくなっていると感じていました。業績が悪化しても、どこに課題を抱えているのかが、すぐには分からなかったのです。そうした状況に危機感を抱いていた1年前、取引先から税理士法人深田会計を紹介されました。

「決算のときに初めて正確な業績を知るのではなく、月次で締めて、リアルタイムに業績を把握し、社長が即座に意思決定をしていく――」。こうした仕組みのもとに、会社経営に「会計」を生かすための指導をしてもらえると聞いて、深田会計と顧問契約を結ぶことを決めました。

部門別の業績管理を開始
深田裕志先生の指導のもと、最初に着手したのは会計システムの切り替えでした。TKCのクラウド型会計システムを導入し、まずは粗利益率が異なる部門ごとに業績をつかめるように、「部門別管理」を行えるようにしました。

さらに、中短期の経営計画をもとに予算を作成して会計システム上で「予実管理」を実施できるようにしたほか、「資金繰り計画表」も作るようにしました。また、販売管理システム等とデータ連携できる機能を活用して、日々の取引から発生する仕訳のデータ入力作業の効率化を図りました。

毎月、監査担当者による巡回監査や経営助言指導を受けながら、ようやく月次決算体制が軌道に乗ったころ、コロナ禍で中国製部品の納入遅延が発生。車両メーカー工場もストップし、3月に受注した新製品の納入のメドすら立たなくなりました。

10日ほどで満額融資が下りた
今後の資金繰りに不安を感じて、3月の巡回監査時に深田会計に相談すると、政府系金融機関のコロナ関連融資制度を利用してはどうかと提案されました。毎月の固定費をもとに当面必要となる資金がどのくらいかを算出し、2000万円の融資を申し込んだところ、10日ほどで満額の融資が実行されました。

直近の決算書データがTKCモニタリング情報サービス(MIS/※1)を通じて、政府系金融機関に提供済みであったことに加え、会計事務所からそこの担当者に顧問契約前の経営状況について説明してもらえたこともスムーズな融資につながった要因の一つでした。

会計事務所による迅速な対応に感謝するとともに、月次決算によって会社の業績を早期に把握できることのメリットを実感しています。

※1)TKCモニタリング情報サービス(MIS):企業の同意のもと会計事務所が金融機関に決算書等を電子データで提供する無料のサービス。詳細はこちらから。

〈会計事務所のコメント〉 
約1年前に当事務所と顧問契約を締結し、データ連携を活用しての部門別管理を含めた月次決算体制の構築を支援しました。粗利益率が異なる部門ごとに予実管理を実施し、巡回監査後に社長と毎月の業績確認を行うようにした結果、全社および部門別の財務情報や資金繰りの“見える化”を実現することができました。それにより、政府系金融機関への申し込みが殺到する前に、滑り込みでコロナ融資の申し込みを行えたことも、非常に早い着金に結びついた要因です。

顧問税理士:税理士法人深田会計 税理士 深田裕志(宮城県)



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