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「金融連携による融資で正常先になった矢先に・・・」 月次決算を実践するなかで 「強い会社」へと変貌を遂げる

ネジ製造販売などを手掛けるA社は、八木会計事務所の指導のもとに月次決算体制を構築するなど、「会計で会社を強くする」ことを追求してきた。しかし約10年にわたるリスケ状態から抜け出した直後、コロナ禍に直面。再び大きな危機を迎える。だがそんなA社を、どの取引金融機関も見捨てることはなかった――。

〈社長の声〉
約10年間、リスケ(返済猶予)状態が続いており、そこから抜け出す糸口が見えませんでした。しかし2019年1月に、これまで取引のなかった信用金庫から、政府系金融機関との「金融連携」による1億5000万円の融資を受け、リスケ中の約1億4000万円を全額返済。これにより「正常先」としてスタートすることができました。

月次決算体制を築いたからこそ
振り返ると約10年におよぶリスケ期間中は、パソコン1台購入するのもためらうほど厳しい状況でした。ただそうした中にあっても、八木会計事務所の支援を受けて策定した「経営改善計画」を絵に描いた餅にしないよう、毎月の予実管理に徹底してこだわってきました。会計事務所の監査担当者が毎月、当社の財務内容を監査し、その結果と併せて業績(計画)の進捗状況についてレポートしてくれます。こうした月次決算体制を構築できたことが、倒産することなく今日まで続けてこられた一番の要因だったと考えています。

もちろん目標を下回る月もありますが、その時は「要因がどこにあるのか、どうすれば翌月に挽回できるのか」を即座に検討し、決めたことは石にしがみついてでも実行することを徹底してきました。その思いだけで経営の舵取りをしてきたようなものです。その結果、リスケ中の10年間、一度も赤字になることはありませんでした。

顧問税理士のGOサイン
ところがようやくリスケから解放された直後に、コロナ禍に見舞われました。そんな中、金融連携で融資を受けた信用金庫から、信用保証協会の「セーフティネット貸付」を特別に受けられる話が浮上。はたして増加する返済金額に耐えられるかを顧問税理士の八木隆行先生に相談しました。八木先生からは、「融資を受けるべき」とのアドバイスを頂き、4月にセーフティネット貸付2000万円を実行してもらいました。

その後、信用金庫とのさらなる交渉により、そのセーフティネット貸付を実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)に入れ替える手続きも完了。いまも資金繰りに余裕がある状態で経営ができており、全面的に支援してくれた八木会計事務所には非常に感謝しています。

〈会計事務所のコメント〉
当関与先企業は、かつて「経営改善計画策定支援事業(405事業/※1)」の制度を利用した会社で、社長と共にバンクミーティングを開催してきました。常に金融機関の管理下で1円も真水(ニューマネー)の融資を受けることなく、約10年間耐え続けてきました。

この10年間、社長と経営計画を策定し、一度も赤字にならなかったことに加え、社長の強い信念が金融連携という奇跡を呼び込んだと思っています。現在、新型コロナウイルスの影響で経営計画が非常に策定しづらい状況にありますが、目標のレベルを落とすことなく、つぎは次世代承継に向けての中長期経営計画策定を念頭に置いて、金融機関との連携をさらに強固なものにしていきたいと考えています。

顧問税理士:八木会計事務所 税理士 八木隆行(大阪府)


※1)経営改善計画策定支援事業(405事業):経営改善計画を自ら策定することが難しい中小企業が認定支援機関に経営改善計画の策定支援を依頼した場合、その費用の一部を国が負担する制度。詳細はこちらから。



   

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