「歓送迎会を迎えた時期、コロナ禍が札幌の街を・・・」経営環境の悪化に立ち向かう飲食店の四つの打ち手
本来なら、歓送迎会でにぎわっているはずの札幌市内の繁華街――。札幌市で飲食店を営むA社にとって、3月から4月にかけては歓送迎会の予約がたくさん入る、まさに書き入れ時。だが、コロナ危機に見舞われた今年は様子が違った。客足が遠のき、資金繰りが急激に悪化。この状況を乗り越えるための有益なアドバイスをくれたのが、市川善明税理士事務所だった。
〈社長の声〉
新型コロナウイルスが北海道を直撃し、感染が拡大した3月以降、札幌市内で飲食店を営む当社の経営環境は大きく変わりました。自粛による客足の鈍化、休業協力などにより、資金繰りが急激に悪化。早急な資金調達を余儀なくされました。
しかし、国や地域金融機関が用意する数々の緊急資金繰り施策をみても、どれが当社にとって最適なのか、申請するには何から始めたらよいのか、分かりませんでした。そこでまずは、税務顧問をお願いしている市川善明税理士事務所に相談することにしました。TKCの会計事務所向けシステム(OMSクラウド)を使って当社に最適な資金繰り支援策を診断してもらい、次のような対策を講じることにしました。
【対策1】
現状、赤字の状況であることから、経営セーフティ共済(中小企業基盤整備機構)を解約して、当面の資金を確保することにしました。相談してから1週間も経たないうちに、会計事務所の担当者が必要書類を用意してくれました。いずれも書類に不備がないよう、しっかりとチェックした上で早々に手続きを行いました。
【対策2】
その頃、政府系金融機関に融資の申し込みが殺到しているとの報道が流れていました。当面必要となる運転資金は3000万円超。市川先生のアドバイスにより、札幌市の「新型コロナウイルス対応支援資金(制度融資)」の申し込みを先行して済ませたうえで、政府系金融機関にも融資申請をしました。案の定、政府系金融機関よりも先に民間金融機関から回答があり、これと一緒に既往債務の借換をすることで、毎月の返済額を圧縮しました。
【対策3】
4月に持続化給付金が出ると発表されたことを受けて、市川先生から制度内容について丁寧に解説してもらいました。申請に必要な書類は会計事務所が用意してくれたため、スムーズにオンライン申請ができました。
【対策4】
北海道の休業要請について、会計事務所がさまざまな情報提供をしてくれました。「休業協力・感染リスク低減支援金」の申請についてもアドバイスを受け、さらに申請書類の準備もしてもらえました。情報の豊富さと、その提供スピードの速さに驚きました。
これらの対策によって、必要な資金を確保することができました。何度も足を運んでくれた会計事務所の方には、心より感謝しています。
ようやく札幌の街も以前の活気ある状態に近づきつつあります。これからが勝負のときだと気持ちを引き締め、会社の経営改善に向けてしっかりと取り組んでいくつもりです。
〈会計事務所からのコメント〉
北海道ではいち早く緊急事態宣言が出ました。いろいろ制限がある中で、当関与先企業がメインバンクとしている金融機関に電話で相談したところ、どのように支援を進めていくのが一番得策かのアドバイスを頂くことができました。その結果、金融機関と一体となって当関与先企業を支援することができたと思っています。
金融機関は、誠実な経営者には必ず味方になってくれます。経営者にとって都合が悪い情報こそ積極的に開示して、その上で適切な金融支援を受けることが大切だとあらためて実感しました。
顧問税理士:市川善明税理士事務所 税理士 市川善明(北海道)