ドキュメント「会計で、未来が変わる」② 戦略家としての社長の成績表。
中小企業経営者と会計事務所の担当者のやり取りを描いた、ドキュメント「会計で、未来が変わる」を全5回シリーズで掲載します。
今日は税理士事務所の巡回監査士と
変動損益計算書の勉強会だ。
「社長、前回説明した変動損益計算書の構造を覚えていますか?」
「たしか、売上に比例して発生する変動費(仕入等)と
売上に関係なく発生する固定費(家賃等)に分けて管理され、
①売った(売上高)
②買った(変動費)
③儲かった(限界利益)
④使った(固定費)
⑤残った(経常利益)
の5つで構成されている。だったかな」
「そのとおりです。そのうち、
①売った(売上高)と②買った(変動費)、③儲かった(限界利益)の結果は社長の〈戦略家〉としての成績表となります」
「なるほど、商品・市場戦略の結果が数値に
表れるということだね」
「そうです。一方、③儲かった(限界利益)と
④使った(固定費)、⑤残った(経常利益)の結果は、
社長の〈管理者〉としての成績表になります」
「会社の固定費や人件費をどのように
コントロールしたかという結果かな?」
「鋭いですね。限界利益の伸びに応じた
適正な成果配分ができているかがわかります」
「今後は月次決算の都度、常に成績をチェックされるわけだ」
「この観点でリアルタイムに管理すると、
黒字化に向けた打ち手も見えてきます」
「それは楽しみだ。
これからもよろしく頼むよ!」