「リスケ中にもかかわらず、売り上げがほぼゼロに・・・」中期経営計画で不足額を明らかにし複数行からの融資を獲得
自動車部品加工の仕事をメインに手掛けるA社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響をもろに受け、単月の売り上げがほぼゼロに。今後もしばらくコロナ禍が続くと考え、税理士法人石田経理事務所の協力のもと、月次損益計画・収支計画を策定してみたところ、3000万円の資金が不足することが判明した――。
〈社長の声〉
当社は自動車部品加工を主力業務としていますが、新型コロナウイルスの影響で取引先の自動車メーカーの工場生産がストップし、仕事が激減。4月の売上高は前年比70%に低下、そして5月以降はほぼゼロになってしまいました。
当社はいまリスケの最中で、政府系金融機関、地方銀行、信用金庫、信用保証協会に借入金の返済を猶予してもらっています。毎月の返済金額は約38万円。手元資金がある程度残っていたので、数カ月間は持ちこたえられそうでしたが、先行きが不安でなりませんでした。
3000万円の収支不足額
当社では毎期決算後、顧問税理士の石田直樹先生の協力のもとに中期経営計画を策定しています。今後もしばらくコロナ禍が続くと考え、月次損益計画・収支計画についても作ってみることにしました。すると、1年間で3000万円の収支不足額が発生することが判明。石田先生からは、「3000万円の融資を獲得できるかどうかがカギを握る」と言われました。
その後、メインバンクの信用金庫を中心に、政府系金融機関、地方銀行、信用保証協会とで当社をどう支援していくかの協議がなされ、最終的に①政府系金融機関からの融資1000万円②地方銀行による実質無利子・無担保融資1000万円③信用金庫の実質無利子・無担保融資1000万円――の合計3000万円の融資が受けられることになりました(据置期間は政府系金融機関2年間、ほか1年間)。加えて、既存融資の返済についても、1年間は返済額ゼロで書き替えてもらえることに。これで当面の資金繰りのめどが立ち、ひと安心しました。
石田先生の助けを借りながら、当社が今後必要となる金額をしっかり金融機関に打ち出せたからこその成果だと思います。
中間決算後の状況報告はインターネットで
7月上旬に開催を予定していた、3月決算の結果を踏まえてのバンクミーティングは、新型コロナウイルスの影響もあって持ち回り決議となりました。また中間決算後の状況報告については、以前から利用していたTKCモニタリング情報サービス(MIS/※1)を活用して、インターネットを通じて行うことになりました。
いまも厳しい経営状況にあることは変わりありませんが、会計事務所の指導をもとに、まずは中期計画の達成に向けた月次の業績管理の徹底と、さまざまな経営改善に取り組んでいくつもりです。
※1)TKCモニタリング情報サービス(MIS):企業の同意のもと会計事務所が金融機関に決算書等を電子データで提供する無料のサービス。詳細はこちらから。
〈会計事務所のコメント〉
当事務所で手続き・支援した持続化給付金は入金され、会社で雇用調整助成金の手続きも行っており、同関与先企業の社長もなんとか安心されているようです。コロナの影響でできた時間を逆に有効活用したいということで、当事務所より社会保険労務士を紹介し、助成金を受けながら就業規則の見直し等にも積極的に取り組んでもらっています。
顧問税理士:税理士法人石田経理事務所 税理士 石田直樹(新潟県)