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「15年かけて会社を再建。その矢先に・・・」顧問税理士の協力のもと事業計画を策定。 資金ショートの恐れをいち早く察知

介護・障害者福祉サービスの会社に業態転換をしてから15年。ようやく業績が安定してきたA社に、コロナ禍が容赦なく襲いかかった。資金ショートを回避するため、平井基也税理士と一緒に向かった先は、県の信用保証協会だった――。

〈社長の声〉
以前はゴム製造会社を経営していましたが、元請け会社が撤退したことを受けて信用保証協会に支払義務を負うようになり、いろいろ悩んだ結果、介護や障害者福祉を行う会社に業種転換することにしました。

それから15年。顧問税理士の平井基也先生の指導のもとに必死で経営改善に取り組んだ甲斐(かい)もあって業績が安定し、毎期黒字を実現しています。その結果、昨年ようやく借換保証制度を適用でき、金融機関と通常の取引ができるようになりました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で今年2月に始めた放課後デイサービス事業の継続が難しくなり、平井先生に今後の事業計画について相談しました。

事業計画策定の具体的な検討を始めた3月には登校制限などが現実のものとなり、当初計画の「収入」の変更や、「人材の配置」の変更、さらには「持続化給付金」の要否検討などを織り込みながら、単年度計画(予算)と5カ年計画を新たに作りました。その結果、5月に支払う保証料を含めて、資金ショートになる恐れがあることが分かり、これを回避するための対応策を考えることにしました。

顧問税理士とともに信用保証協会に相談
昨年から金融機関との取引が再開されていたので、政府系金融機関のコロナ関連融資を利用することもできましたが、すでに融資が実行されるまでに1カ月以上待たざるをえない状態になっていたこともあり、まずは三重県の信用保証協会に今後の対策について相談することにしました。

その際に平井先生は、新たに策定した5カ年計画をもとに、なぜ当社が融資を必要としているかについて信用保証協会の担当者に詳しく説明してくれました。すると、コロナ危機対応として2年間の元本据え置きと、3000万円の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の保証承諾がその場で認められました。実際に融資を行う民間金融機関には信用保証協会から説明してもらえるとのことで、「これで資金ショートが回避できる」と安堵しました。

緊急時において頼りになる存在
後日、民間金融機関の担当者と融資に関する事務手続きでお会いしたところ、「TKCモニタリング情報サービス(MIS/※1)で毎月提供してもらっている月次試算表を見るかぎりでは2月時点でもまだ順調なのに、予測を組み込んだら4月にはこうなるんですね」と先行きを見通した素早い対応に驚きつつも、非常に好意的に対応してくれました。「元本据え置きを3年に延長しましょうか」と提案してくれたほか、事業提携先の紹介もしてくれました。元本についてはできるだけ早く返済したかったので結局、据え置き2年のままとしましたが、金融機関のご厚意は大変うれしかったです。

ちなみにMISの利用をはじめたのは、平井先生が熱心に提案してくれたからです。今回の件で、普段から金融機関と良好な関係を築いておくことの重要性を知るとともに、こうした緊急時において顧問税理士の先生がいかに頼りになるかを実感できました。

※1)TKCモニタリング情報サービス(MIS):企業の同意のもと会計事務所が金融機関に決算書等を電子データで提供する無料のサービス。詳細はこちらから。

<会計事務所からのコメント>
当関与先企業の社長は1億数千万円あった負債を、一部遊休資産の任意売却と、信用保証協会に対する返済(代位弁済)により、9000万円近くまで減らしてきました。1度は倒産したような会社(事業をあきらめたら倒産となっていた会社)が借入金の存在をしっかり認識し、事業計画を通じて資金繰りの確認をするようになっていたことが、今回の素早い対応につながったと言えます。

その結果、コロナ禍で世間が混乱している時期においても、安心して会社経営のサポートをすることができました。同社からは、月次決算によって資金調達力が強化されると実感できたとともに、民間金融機関と協働するためには、MISによる情報開示が不可欠であると強く感じています。

顧問税理士:平井基也税理士事務所 税理士 平井基也(三重県)




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